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きょうの料理

きょうの料理


先日、深夜に観るでもなく付けっ放しにしておいたテレビの、
ふとある番組に目が留まった。

『きょうの料理』

NHKの長寿番組だ。アンコール放送らしい。
しかし、時刻は25時を回っているのである。

いったい、誰のための、なんのための『きょうの料理』なのか。

そもそも『きょうの料理』の指す“きょう”とは、いつだ。
日付が変わった“きょう”の話なのか。
深夜だけに微妙な問題だが、まあそれはいい。

『きょうの料理』というタイトルも、よく考えるとどうかと思う。
あまりにストレートすぎやしないか。

2時間サスペンスドラマの制作者達が、0.1%でも視聴率を
伸ばそうと熟考に熟考を重ねて長いタイトルを考えている中で、
『きょうの料理』とは、あまりに愚直なタイトルではないか。

NHKだから、と言ってしまえばそれまでだが、この調子だと
『きのうの風呂』とか『あしたの洗濯』もアリじゃないかと思う。

『きのうの風呂』なんて、どんな番組か観てみたい気もするが、
書きたいことはそんなことではなかった。

番組の内容が思いのほか、凄かったのである。

まず、キャスティング。

料理番組といえば、若い女性の司会進行役と料理家のコンビ、
を思い浮かべるものだが、僕が観た回の司会進行役は、

おっさん だった。

きっちりエプロンをしているおっさん、なのである。
先生役の料理家もおっさんだから、出演者はおっさん×2

おっさん二人で、果たして何を作るのかというと、

『きのこのホイル焼き』

酒の肴でも作るかのような、素材を活かした簡単料理である。

まあ、深夜にアンコール放送をするくらいだから、
もしかしたら飲兵衛親父をターゲットにしているのかもしれない。
そう考えれば、このキャスティングも頷けるかも、と思いながら
続きを観ていると、次なる驚きが訪れた。

いまが旬のきのこだけに、まいたけ、しめじ、しいたけ、などなど
いろいろな種類のきのこを、ホイルに包むために切り分けるのだが、
進行役のおっさんが材料を紹介しながら、こんな発言をしたのだ。


「ええと、次は“えのきだけ”ですね。
 だけ、と言いつついろいろ入りますが」



駄洒落である。

番組そのものが淡々と進行しているだけに、台詞が異様に浮いた。
観ていて、正直「イタい」と思った。
しかし、やがてその考えが間違っていることを思い知らされる。


「バターは多めに入れるのがベターですね」


「ホイルで包むと蒸気が出て上機嫌になります」



なんかもう、駄洒落のオンパレードなのである。
おっさん二人の世界が、テレビの向こう側で炸裂しとるのである。

ちなみに『きのこのホイル焼き』の途中で、もう一品、
『豆腐のきのこあんかけ』も作っていたのだが、このときも


「よく“角が立っちゃいけない”と言いますが、
 豆腐の場合は“角が立つ”ほうが良いと?」

「そうですね。豆腐は“丸く”なると駄目ですね」



などと、いかにもおっさん同士のやりとりが繰り広げられた。

結論から言うと、これは「イタい」と思いながら観るのではなく、

『おっさんの生態観測 ~キッチンにて~』

という新感覚番組だと認識すべきなのだ。

そう考えないと背筋も凍ってしまうような会話の応酬が
エンディングまで延々と続くのである。


そういえば、フィナーレの試食タイムでもサプライズがあった。

『きのこのホイル焼き』と『豆腐のきのこあんかけ』を
テーブルに運んで、いざ試食、となる美味しさを伝えるシーン。


まずは『きのこのホイル焼き』から。

進行役が、きのこを頬張る。

思わず、にんまり。

「うーん、口の中が喜んでますよ」

ちょっとピントはずれなコメントはご愛嬌。

もう一口。

ホイルから沸き立つ湯気が、いかにも美味そうだ。

と、そこへ突然、料理家が茶碗を持ってきた。

進行役のおっさんは、事も無げに言う。


「今回は、先生には特別に
 『きのこご飯』を作っていただきました」






え?





『きのこご飯』て何?





晴天の霹靂とは、このことである。

『きのこご飯』に関する前触れなど、まったくないばかりか、
駄洒落まみれで作った『豆腐のきのこあんかけ』に至っては
結局、最後まで箸をつけられることすら無かった。

『きのこのホイル焼き』⇒『豆腐のきのこあんかけ』のリレーが
当然だと思っていただろう、豆腐の立場に立ってみれば、
こんな扱いをされれば“丸くなる訳にいかない”はずである。

とかなんとか、最後のほうでは僕もすっかり汚染されたようで、
番組を観終えて真っ先に、こんなことを思ってしまった。

できあがった料理が、たとえどんなにウマかったとしても、
彼等と一緒に食べるメシは、きっとマズいに違いない、と。


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