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サクラサク

サクラサク

受験シーズンである。

受験生にとっては、いまが一番たいへんな時期だろう。

そして、そんな学生達が藁にもすがる想いで大量購入しているのが、
商魂たくましい菓子メーカーが世に放つ『縁起かつぎ菓子』である。


ネスレの「KitKat」は、「きっと勝つ」

ロッテの「キシリトールガム」、「きっちり通る」

明治製菓の「カール」は、「受かーる」


とまあ、語呂合わせというより、もはや、おっさんの駄洒落である。

先日も、乗った電車が「KitKat」で車内広告ジャックされていて
メインコピーの「きっと、サクラサクよ。」の文字が躍っていた。

それを眺めながら、自分の頃にはこんなモノ無かったよなあ、と
時代の変化を感じつつ、受験したときのことを思い出したのだった。



当時を振り返ると、僕はいい加減な受験シーズンを過ごしたと思う。

四国の片田舎の県立高校生にも関わらず、上京願望が強かった僕は、
東京の私立大学しか受験しなかった。

2週間ほど、都内でホテル住まいして受験の日々を過ごしたのだが、
そのあいだの生活は、恥ずかしいほどに自堕落な日々なのだった。


そもそも、ホテル住まい、というのが良くなかった。


親の管理下に置かれない日々は、高校生にとってラヴィアンローズ。

赤本や参考書を開いても、いっこうに勉強モードにはならなかった。



僕は、有料テレビを見るのに必死だった。



平たくいえば、エロビデオである。

そのホテルの有料テレビは、一定時間チャンネルを変えずにいると
自動的に課金されてしまう仕組みで、課金までのわずか1~2分の
無料サンプル時間だけが、僕に与えられた勝負の時だった。

なにしろ、宿泊料金の支払いをするのは親である。

絶対に、課金されてしまうわけにはいかない。

僕は細心の注意を払いながら、課金寸前まで破廉恥映像を満喫した。

おかげで、宿泊期間中に受験勉強モードには切り替わらなかったが、
有料テレビの無料時間のモード切り替えだけは異常に上手くなった。

『縁起かつぎ菓子』は無くても、やはり縁起はかつぎたくなる訳で、
「起床時刻が自分の誕生日と同じだったから、受かるはず!」とか、
「受験会場までの信号が全部青だったから、合格するはず!」とか、
各自が何かしらの縁起をかつぎたがったが、こと僕に関して言えば、





「昨夜も有料にならずに済んだから、

 合格できるはず!」






だった。

意味不明な縁起かつぎをする、どうしようもない受験生だった。

東京での臨時一人暮らしは、置かれた立場を忘れるほど刺激的で、
僕は、田舎の純情高校生が考えうる“東京遊び”を満喫した。

最終的には、同じく上京していた同級生と、受験当日にサボって
ボーリングに行った。

そんな最低な僕だったが、幸いにも、幾つかの大学に引っかかり、
翌春から東京で生活を始めて、なんだかんだで現在に至っている。


なんだか無駄に長くなってしまって大変恐縮だが、結局のところ、
僕が受験生に対して言いたいのはこういうことだ。





「君が大学に受かろうが落ちようが、必ず桜は咲く」





春になったら、桜は咲き、そして散る。

それだけのことである。


企業に「きっと、サクラサクよ。」と応援されるのは全然構わないが、
本当のところは、キットもカットも、ないはずである。

受験直前に『縁起かつぎ菓子』を買って合格しようなんて甘いのだ。

それこそ、KitKatほど甘い。

藁にもすがりたい、そんな気持ちは解らないでもないが、ある意味、
そんな思考になってる時点で負けている、と思ったほうがいい。



これまでの自分の力を信じればいいのである。

信じられなければ、頑張るしかないのである。

自分を信じられるところまで、頑張ってみよう。




自分で自分を信じられれば、縁起なんて、どうでもよくなるはずだ。

その証拠といってはなんだが、僕の場合、受験後に母親が上京して
2週間分の宿泊代を清算した際、利用明細には結構な金額とともに
「有料テレビ代」が記載されていたのだった。


そもそも、縁起など、かつげてなかったのである。


僕が、この受験シーズンで唯一、後悔というか心残りだったのは、
最後までもっと必死に勉強すれば良かった、ということではなく、
ボーリングなどせずに受験すれば良かった、ということでもなく、










「どうせ課金されてたんなら、
 
 全編じっくり見ときゃよかった」











ということに尽きる。


大学受験など、これまでの人生を振り返れば、その程度のものである。



(了)
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