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禿げ頭へのオマージュ

禿げ頭へのオマージュ

最近、なんだか自信を失くして落ち込んでいた。

いわゆるスランプ。医者でもないのにスランプ。

何をやっても駄目。裏目。酷い目に遭うばかり。

ストレスも溜まって、ため息も抜け毛も増えて。

呑めないくせに、酒、酒、酒。酒と泪と男と女。

あと、部屋とYシャツと私。



そんなある日。


地下鉄の車内で、すこぶる禿げた人を見た。

混んでいて、禿げ上がった頭が目と鼻の先。

目と鼻の先というか、目と頭の先というか。

つい、目頭が熱くなってしまったというか。

とにかく近すぎて目も眩むほどの至近距離。

顔色は悪そうなのに頭頂部は健康そのもの。

つるつる。ぴかぴか。てかてか。すべすべ。

叶うならば触れてみたい。でも届かぬ想い。



まじまじ見るうちに、なぜか僕はジーンとしてしまった。

不覚にも感動していたのだった。その光り輝く禿げ頭に。


毎日欠かさず手入れをしているような輝き。

オイルだかワックスでも塗ってそうな輝き。

むしろ、ダイヤモンドにも似た永遠の輝き。

絶対磨いてる。入念に。丹念に。心こめて。


もはや、芸術の域にまで達していた。アートだった。

彼にとって禿げ頭はウィークポイントではなかった。

間違いなく、チャームポイント&セールスポイント。

世界中のカツラは、彼の前ではひれ伏すに違いない。



こそこそ隠れて裏街道を歩くのはやめようよ。

中途半端に装う方がどう考えても格好悪いよ。

いまの自分の置かれた境遇を受け入れようよ。



歳を取れば、髪の毛は抜け出すものなんだよ。

スランプも、いつかは必ず抜け出せるんだよ。

自分をしっかり磨いてさえいればいいんだよ。



「どんなときでも堂々としてりゃいいんだよ」



禿げ頭が、僕に囁いていた。ような気がした。



目的駅に着いて地上へ出ると、抜けるような青空が広がっていた。

強い陽射しに目が眩んだけれど、それはそれで心地良い光だった。



僕は思った。




















「いよいよやばいな、俺」





と。



(了)


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