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夢のカリフォルニア

夢のカリフォルニア

居酒屋で知人と映画音楽の話をしていたのだった。

互いに取り立てて造詣が深いわけでもないので「やっぱ、モリコーネは最高」「久石譲って泣けるよね」などと王道ど真ん中な会話に終始していたが、やがて印象的な挿入歌の話になり、知人が『時計じかけのオレンジ』の『雨に唄えば』が衝撃的だったと熱っぽく語りだした。

一方、それに対抗すべくひとしきり考えた僕の脳裏に思い浮かんだのは『恋する惑星』の『夢のカリフォルニア』だった。

ママス&パパスの、あの切なく哀愁漂う感じが妙に画にマッチしていたのを思い出し、いざ「俺はね・・・」と口に出しかけた途端。



「カフォルニア」か「カフォルニア」か、わからなくなった。



そこで素直に「どっちだっけ?」とカミングアウトしていればよかったのだが、さすがにいい歳して聞くのもアレだなと少し躊躇った結果、

「俺はね、あれ。『恋する惑星』のさ、ほら、『夢の・・・」

と、語尾をフェイドアウトする作戦を敢行した。

すると、幸いにも知人が「ああ、あれだろ」と即座に反応してくれたので思わず耳をダンボにして正解を待つと。










「あれだろ。『夢のカーフォーニャー』」















超ネイティブな発音された。










あまりの流暢さに判定不能だったので、その後は僕も『夢のカーフォーニャー』で通すことを余儀なくされた。

しかし、結局どっちなんだという残尿感にも似たモヤモヤ感が残ってしまい、だんだん会話そっちのけで「カリ」なのか「カル」なのかが気になりだした。

次々とタイトルを並べる知人に対して生返事しつつ、どうにかして白黒はっきりさせる方法はないかと考えた末、僕は名案を思いついた。


紙に書けば一目瞭然じゃないか―


さっそく「これまでに言った曲を、ちょっと書き出してみないか?」と至極ナチュラルな提案をすると、有無を言わさずカバンからペンとメモを取り出し、当然の如く知人に押しつけた。

はやる気持ちを抑えきれない僕は、司令塔気取りですぐさま本題へ。

「えーと、じゃあまずは、ほら、俺がさっき言った『夢の・・・」

すると、知人は「あ、はいはい」と思い出したようにペンを走らせた。










『夢のカーフォーニャー』















まさかのネイティヴ表記。










思わず唖然としつつも「おい、ちゃんと書けよ」と冗談ぽく突っ込むと彼も「だよな、悪い悪い」なんて言うから、やっぱり冗談だったんだと胸を撫でおろしたところ、なんと今度は奴さんから驚くべき提案が。


「せっかくだから、原題で書こうか」


彼の英語力がどれほどのレベルかは知らないが、さっきの流暢な発音を聞く限り大丈夫だろう、しかも親指を立ててOKサイン&ウインクまでするもんだから、これはもう全幅の信頼を寄せていいと確信した。

かくして、いよいよ正解発表。

しかし、僕が緊張の一瞬に備えてペン先に注目しているにも関わらず、どうも知人の様子がおかしい。

なんだか、いっこうに書き出す気配がないのだ。

ついさっきまで「GOOD LUCK!」と空でも飛びそうだったのに急に「あれ、ド忘れしちゃった」なんて言い出して、ペンは宙を彷徨うばかり。

なんだか雲行きが怪しくなってきているのを薄々感じつつも、それでもようやく彼が重い腰を上げるように書き始めたので、僕は待ってましたとばかりに身を乗り出してメモを凝視したらば。










KALFOLNYA DOREAMIN















WHAT?










なぜ正しいスペルも知らないくせに彼が原題で書くと言い出したのかは永遠の謎だが、とりあえず最初のスペルが「C」ってことくらいは僕も知っていた。

それだけに、彼のことを過大評価して「発音が超ネイティヴだ」などと奉っていた自分が途端に馬鹿に思えてきた。

その後も知人はスラスラと間違いだらけの原題を書き連ねていたが、僕にはもう口を挟む気力すら残っていなかった。


結局、店を出るときに残ったものは、間違った綴りだらけのよく解らないメモと「カリ」だか「カル」だか解らずじまいになったままのモヤモヤ感。

しかし、知人を責めることはできないし、ましてや偉そうなことを言う資格などないだろう。

なぜなら彼と別れて帰宅後、僕は50/50の戦いにすら敗れたのだから。















DREAMIN
















カリフォルニアなんて、夢のまた夢である。



(了)


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