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ミルクフランス

ミルクフランス

もう夏の訪れを感じさせる、陽射しが眩しい月曜の朝。

いつもより少し早めの電車に乗って、会社へ向かった。
前週からの仕事が溜まって、いっこうに捗っていない。

最寄駅を出てから、会社近くのベーカリーに立ち寄る。
こんな気分の朝に食べる朝食は、だいたいいつも同じ。

ミルクフランス。

フランスパンにサンドされたミルククリームが、絶妙。
濃厚な甘さのクリームは、頭を働かせるエネルギー源。

まだ誰も出社していない時間帯で、オフィスは施錠中。
ロックを解除して電気を点けると、自席に荷物を置く。

PCが起動するまでの間、給湯室でコーヒーを淹れる。
専用のマグカップにブラックを注いで、デスクに戻る。

画面上には、TODOリストと新着メールの受信表示。
意外に面倒な案件が多くて、軽く眩暈がしそうになる。

マウスに置いた手を止め、ふう、と大げさに息をつく。
カップに残ったコーヒーを飲み干し、目頭を押さえる。

どうにか気を取り直し、二杯目を注ぐために席を立つ。
再び戻ってみると、すでに画面はスクリーンセーバー。

星が瞬く宇宙空間は、まるでブラックコーヒーのよう。
ワンクリックで、それこそ瞬く間に現実世界へと戻る。

視線を画面に向けたまま、ベーカリーの袋を探しだす。
右手にはマウス、左手には剥き出しのミルクフランス。

おもむろに最初の一口を頬張ったところで、気づいた。










ミルククリーム、挟まってない。










『ミルクフランス』のはずが、まさかの『フランス』。

僕の手中にあったのは、ただの小ぶりなフランスパン。
味も素っ気もない、無駄な切れ目が余計に虚しいパン。

週明け早々、仕事が立て込んでいる現状を憂い嘆いて。
それでも「今週も頑張ろう」と気合を入れ直した矢先。

「人生とは、かくも甘くないのか」と思い知らされた。

信じ難いことに、クリーム不在の経験は過去にもある。
不運で残念で遺憾なことに、なんと通算三度目の悲劇。

口内に残るぼそぼそ感を、コーヒーで一気に流し込み。
誰もいない静かなオフィスで、僕は思わずぽつり呟く。



「仏の顔も三度まで」



ミルクフランスの担当者よ、この言葉を心に刻んどけ。



(了)





[休載のお知らせ]
パン屋へ殴り込む準備で忙しい為、しばらく休みます。
7月に再開予定、それまでバックナンバーでもどうぞ。


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