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便意

便意

ドライブ中、便意に襲われたのだった。

甚だ遺憾である。

「たかが便意じゃないか」とお思いの方がおられるかもしれないが、便意を舐めてもらっては困る。便意は『日常で起こる不測の事態ランキング』で長年1位をキープする偉大な生理現象であり、言ってみれば業界の絶対王者。便意=キングなのである。スタンド・バイ・ミーなのである。
・・・あ、画面まだ閉じないで。もすこし、そばにいて。

いずれにしても、休日のドライブ中に下腹部沖で発生した非常に大型で強い便意12387号(推定)は、絶妙な緩急のウェーブを巻き起こしながら、家族の命を預かってハンドルを握る我が身を着実に襲っていた。

車窓を流れゆく晩秋の景色の中に安息の地を求めるものの、体中からは変な汗が流れっぱなし。ドライブしながら街を流していたつもりが、いつしか便意の力で強制的に流されているという、まさかの体内クーデター。

まるで無人島に漂着した男女のエロスを描いた昔の映画のように本能の奴隷になっていた僕は、やっとのことでロードサイドのファミリーレストランを見つけるやいなや、愛車をけたたましく挿入した。バックで。

店に入ると、中年の女性店員がマニュアルに忠実な応対をしてくれた。


「いらっしゃいませ。何名様でしょうかァ?」

「(我慢)・・・4人」


「大人が2名様、お子様が2名様でよろしいですかァ?」

「(我慢)・・・はい」


「お子様用の椅子はご利用になられますかァ?」

「(我慢)・・・はい」


「お席の方が当店、喫煙席と禁煙席がございま」

「(傲慢)それよりトイレは?」


いささか偉そうな態度だとは思ったものの、腹痛が切迫するあまり店員の言葉を遮って質問し返すと、店員は状況を察したのだろう、慌てて答えてくれた。


「あっ、申し訳ありません!










当店、トイレもございます!」










・・・・・・。

いや、ここファミリーレストランだからさ、トイレを用意してくれてるんだろうなってのはあらかじめ計算してたっていうか、こっちもきっちり想定済みなわけよ。それより、もしも・・・もしも願いが叶うなら、トイレの場所を教えてほしい。あと、吐息を白い薔薇に変えて逢えない日には部屋中に飾りたい。

だけど切羽もうんこも詰まった青息吐息の状態では何も飾れず、むしろ「前門の虎、後門の狼」といった按配で、悶々としすぎてGK5(軍門に降る5秒前、の意)。


「・・・だから・・・、その・・・、トイレは・・・」


我慢の先に果てしない浪漫が見え隠れしはじめ、息も絶え絶え質問を繰り返すと、店員は見当違いな返答を自覚したのだろう、ハッとした顔をして答え直してくれた。


「あっ、










男性用と女性用がございます!」










・・・・・・。

いや、ここファミリーレストランだからさ、男女別々でトイレを用意してくれてるんだろうなってのはそもそも期待してたっていうか、こっちもしっかり予想済みなわけよ。それより、もしも・・・、もしもピアノが弾けたなら、トイレの場所を歌にして僕に伝えてほしい。

だけど僕にはピアノがなくてあるのは猛烈な便意のみであり、もはや「前門の虎、後門の狼」を通り越して「肛門の虎、肛門の狼」といった按配でGK5。(ゴールキーパー5人、の意 ※意味不明)

結局、その後すぐにトイレへ駆け込んだのだが、案の定というかなんというか、そんなときにかぎって個室は満員御礼なのだった。大を出したいのに大入りとは、これいかに。

誰か僕に、急に便意を催したときの対応マニュアルを教えてくれないか。



(了)


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