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ピンク

ピンク

旧知のグラフィックデザイナーと打合せをしていたときのこと。

幾つかのポスターデザイン案を提案してもらったのだが、どれも素晴らしい出来栄えで、正直、甲乙つけ難かった。

あれやこれやとしばし悩んだ末、結果的に直感で良いと感じた、鮮やかなピンクがメインのビジュアルにしようと思った。

たしかに派手すぎて見方によってはいやらしい感じがするけれど、訴求したい内容に必要なビジュアルとしてはこれぐらい思い切ったほうがインパクトがあって良いのでは、と踏んだのだ。

僕は、オリエン内容を充分すぎるほど理解して高いクオリティのデザインを出してくれたデザイナーに敬意を表した上で、ピンクの案で進めたい旨を率直に伝えると、その直後から彼は肩を震わせはじめた。

どうやら僕の言葉をとても喜んでくれたらしく、感極まっているようにさえ見えた。その様子を見ているとなんだかこっちも嬉しくなった。

良い仕事は、衝突と賞賛があってはじめて生まれる。決して妥協することなく言いたいことは言い合い、褒めるべきところは褒めるべきだと、僕は思っている。

実は、そのデザイナーとも過去に何度か衝突してきた。取っ組み合いになるほどの喧嘩もした。だからこそ、今回のようにこちらの期待を上回る素晴らしいデザインがあがってくると手放しで褒めたくなる。

気づくと、僕はそのピンクの案がいかに優れているかを様々な観点から褒めていた。褒めちぎっていた。褒めてはちぎり、ちぎっては褒めていた。

デザイナーの彼は、もはや僕の顔をまともに見ることもできず、とうとう顔をテーブルに伏せて体全体を大きく震わせだした。

さすがに幾らなんでも感激しすぎだよと思っていると、流れる涙を拭いながら彼はやっとのことで声を絞り出した。

「ウチダさん・・・」

はい?

「さっきから、このピンク褒めてくれてるでしょ」

ええ。

「それって僕も、すごく嬉しいことなんだけど」

うん。

「けど、なんか、ちょーっと違ってるんだよね」

えっ?

「ウチダさんが言ってること、間違ってますよ」

!?

「もうね、ほんと、僕からしたら、あり得ない」


彼の真意が解らない僕は、たまらず声を荒げた。

「そ、それって、一体どういうことですかっ!?」


すると彼は必死で笑いをかみ殺しながら言った。

「このピンク、『ショッキングピンク』ですから」

どゆこと?





「ウチダさん、ずっと『ショッピングキング』って言ってたよ」





あ、そゆこと。


我こそは買物王なり。
我が頬、桃に染まりけり。



(了)


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