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BLOOD AND BONES

BLOOD AND BONES

真夜中のコンビニエンスストアでの出来事だ。

終電を降りて家路に向かう途中、いつものコンビニに立ち寄った。
店に入ると、いらっしゃいませと迎えられるでもなく、
見るからに野暮ったい感じの店員が、男とレジ前で話していた。

男は50代だろうか。酒に酔っているらしく、顔を赤らめている。
常連のようで、店員も違和感なく男の話に付き合っていた。

真夜中の静かな店内ということもあり、二人の会話は、
雑誌を立ち読みしていた僕の耳にも、勝手に入ってきた。


酔男 「たけしのアレ、あんた見たか?」

店員 「何ですか?」

酔男 「アレだよ、映画。ほら、滅茶苦茶なオヤジのさあ」

店員 「ああ、なんて映画でしたっけ?」



僕は、すぐにピンと来た。


『血と骨』である。


アカデミー賞にもノミネートされた、去年の話題作だ。
映画館で観たいと思いながら、まだ観ていなかった。

最近DVDが登場したので、話のネタになってるのだろう。
こういうとき、よくオチを云われたりしてガッカリすることがあるが、
このときの僕は、その後の彼等の会話にむしろ吃驚してしまった。


店員 「ああ、なんて映画でしたっけ?」

酔男 「たしかなあ、『血と汗』」

店員 「そうでしたっけ?」



そうでしたっけ?などと、とぼけている場合ではない。
『血と骨』である。



店員 「えー、なんか違いません?」

酔男 「そうか?あ、そうそう違うな」

店員 「思い出しました?」

酔男 「涙だった、涙。『血と涙』」




たしかに血も涙もない男の話だが、違う。
いつのまにか、僕は雑誌のページをめくる手を止めていた。



店員 「それも違いません?なんかしっくりこないなあ」

酔男 「じゃあ、血じゃないのかもしんねえな。
    なんかみんな苦労するんだろ、あれ」

店員 「なんか滅茶苦茶な男の話なんすよね?」
 
酔男 「そうそう、汗、汗。『汗と涙』」




いつのまにか、スポ根映画に様変わりしてしまった。
それでも僕は、彼等が根気強く正解を導き出すのを待った。



店員 「それ、絶対違うと思いますよ。なんかもっとゴツゴツした感じの・・・」

酔男 「おー、そうだ、そう。それだよ。骨だよ。ゴツゴツで思い出した」




やっと正解がきた!僕は期待しながら次の言葉を待った。






酔男 「骨と皮」






ミイラである。


いつの間にかホラー映画のタイトルになってしまった。

ここまで来ると、だんだん怒りが込み上げてきた。
こうなったら、正解を聞き出すまではここを離れるもんか。
そう思っていた矢先のことだった。



店員 「『骨と皮』って・・・、それスネ夫じゃないですか。」

酔男 「スネ夫って誰だよ」

店員 「えっ、うそ?知らないんすか?ドラえもんっすよ」
     スネ夫って、苗字、骨川っていうんすよ」

酔男 「なんだか知らねえけど、あれだろ、声変わったんだろ?」

店員 「そうそう、あれねー、オレとしてはね~・・・」





あろうことか、

話題そのものが変わってしまっていた




買い物を済ませて店を出た僕は、どうにもやりきれない想いになり、
レシートを丸めると、ありったけの力でゴミ箱に投げ捨てた。




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