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若気の至り

若気の至り


あれはたしか、高校時代だったと思う。

一学年下に『いいかおり』という子が居た。

伊井香織だったか、井伊佳織だったか、漢字は思い出せないが、
とにかく『いいかおり』としか読めない名前を
校内掲示物かなにかで見つけたのだ。

衝撃的だった。

この類の話でよく例として挙げられる名前として、

水田まり さん
大場かなこ さん

などがあるわけだが、それにしても『いいかおり』とは
あまりにも美しすぎる響きではないか。


少し話は逸れるが、僕は小学生の頃、禁断のカップルを
勝手に創りあげては憂いていたものだった。

「マキちゃん」が「真木くん」と結婚したら「まきまき」になるとか、
「ミキちゃん」が「三木くん」と結婚したら「みきみき」じゃんとか、
「イズミちゃん」が「和泉くん」と結婚したら「いずみいずみ」とか、

彼等は、たとえ両想いであっても結ばれてはいけないのだと、
子供心に勝手に思い込んでいたのである。

夫婦別姓が認められて僕ほど喜んだ男はいない。

そう断言してもいいほどである。


とにかく、幼い頃から人の名前に反応してしまう性分だった僕だ。

それだけに『いいかおり』の存在を知ったときは、
我を忘れて狂喜乱舞してしまった。

僕は、友達を連れて彼女のクラスを訪れた。

もちろん、目的はたったひとつ。














どんな匂いか、嗅ぐ。











しかし、肝心の『いいかおり』が、どの子なのか判らなかった。
一つ下の学年なんて全く知らなかったのだ。

そこで僕らが取った行動は、たったひとつ。














教室から出てくる女子を
さりげなく嗅いで回る。













そう。


あの頃、僕らは















変質者だった。











どうかしていた。

「『いいかおり』に、香水をプレゼントしたい」

その強い想いだけが、先走っていた。

当時の僕に名前を授けるなら、間違いなく『若気野 至』だ。




しかし、あれから10年以上経ったいま、僕は『いいかおり』の容姿を、
まったく憶えていないのである。

それどころか、結局のところ、会えたのか、それとも会えなかったのか、
それすらも不思議なことに全く憶えていないのだ。

当時、一瞬でも僕をときめかせてくれた彼女の存在そのものが、
残念ながら、僕の脳裏から消えてしまっているのである。

当然、どんな匂いなのかも記憶に残ってはいない。



ただ“青春の甘酸っぱい香り”として、僕の心に残っているだけだ。

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