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習性

習性


習性とは恐ろしいものである。

いつもの調子で、つい、やってしまうだけなのに。

それは、しばしば個人の秘密が暴露されることとなり、
恥ずかしい事件として、はたまた、悲しい事故として、
人々の記憶に刻まれることになるのだった。


久しぶりに会った知合いの女性と、食事をしたときのことだ。

ファミリーレストランは、週末だからか混んでいた。
僕らは少し待った後、入口付近の席へ案内された。

大きなメニューを眺め、店員を呼び、注文した。

僕らは、料理が来るまでのあいだ、他愛のない話をした。

彼女は、最近仕事で疲れているの、と水を一気に飲んで、
ふぅ、と大きく息をついた。

飲食業をしていているのだが、毎日大変なのだという。

突っ込んだ話を振ろうとすると、彼女は交わすように
ドリンクバーへと向かった。

よいしょ、とわざと声を上げて立ち上がり、もうオバサンだよ、
と軽く愚痴る彼女の後に、僕も続いた。

ドリンクバーでの彼女は手際が良く、そして几帳面だった。
自分のドリンクを注ぎながらドリンクバーを整頓していた。

「店が汚れてるのを見ると、つい掃除しちゃうのよ」

彼女は、悪戯っぽい笑みを浮かべ、席に戻っていった。
戻る途中で、会計に向かう男性客とすれ違った。

レシートを手に持ったその客は、とにかく冴えない風貌で
『電車男』に登場する“アキバ系”そのものだった。

本当にこういう奴って居るんだ、と変に感心していると、
突然、彼女がこう言った。
















「ありがとうございましたっちゃ」















客が客に礼を言うことの奇妙さを、さらに突き抜けた、
まさかの「っちゃ」発言。



戸惑いながら何度もこちらを振り返る男性客。

そして、呆然と彼女を見つめる僕。


彼女は自分の発言にも、周りの状況にも全然気づく様子もなく、
何事も無かったかのように席に着いてジュースを飲み始めた。

思わず、言葉が口から漏れたのだろう。
条件反射のようなものなのだろう。

とにかく僕は、彼女がコスプレカフェで働いている事実を
図らずも知ることとなったのだった。


つくづく、習性とは恐ろしいものである。

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