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本屋と便意

本屋と便意


なぜ、本屋に行くと便意を催すのだろう。

誰でも一度は経験されたことがあるであろう生理現象だ。
考えられる原因として、

・印刷されたインクや紙の匂いが、生理的に刺激を与える
・本を読むというリラックス感が、生理的な活性化を促す
・立ちっぱなしのまま瞼を伏せて読む姿勢が、便意を誘う

など諸説あるが、明らかになってはいないらしい。

だが、そもそも明らかにする必要など無いのではないか。
必要なのは、その現象を体感することだ。探究心は要らない。

とにかく、言えることはひとつだ。



便秘でお悩みの方は、本屋に行きなさい。



そして、ただただ、本を読みなさい。

ページを捲るたびに微かに香る紙とインクの香りに包まれて。

便意を催すまで、ひたすら読書に耽るのである。

もしかしたら、長らく便意を催すことができないでいると
見かねた店員から注意を受けることがあるかもしれないが、
そんなときは、堂々と答えればいい。


「便意を催すために、私はここに居るのです」


それを聞いた店員は、速やかに立ち去るはずだ。

そして再び、貴方は本の続きを読み始める。
もちろん、一向に便意を催す気配がなくても焦る必要はない。

リラックスした気持ちのまま、本を読む幸せをかみしめて。

自分の世界に浸りながら読書に没頭するのである。

もしかしたら、頃合いを見計らって、再び店員が貴方の元へ
やってくることがあるかもしれないが、そんなときもやはり、
堂々と答えればいい。


「本能の赴くままに、身を委ねていたいのです」


聞いた店員はまた、速やかに立ち去るはずだ。
そうして、何事もなかったかのように、貴方は続きを読む。

ずっと立ったままの同じ姿勢で、瞼を伏せたままの姿勢で。

もしかしたら、今度は店員ではなく店長らしき人物が
貴方の元へやってくるかもしれないが、そんなときは、
相手に先んじて堂々とこう言えばいい。


「お願いだから、もうしばらく居させてください」


すると、店長らしき人物は毅然とした態度で告げる。







「もう閉店ですから」







貴方は少しだけ驚いた仕草を見せ、腕時計をちらっと覗く。

時刻を確認して軽く頷き、読みかけの本をレジへ差し出す。

会計の前に思い直して、他に気になっていた本も数冊購入する。

もし、長居への侘びだと都合良く受け取られれば、それは幸運だ。

本屋を出た貴方は、家路へ向かうために駅前のバス停へ向かう。

時刻表を確認すると、次の便が来るのは20分後だ。

貴方はバス待ちの列に並び、買ったばかりの本の表紙をを開く。

急に冷え込むようになった夜の空気が、いささか湿っぽい。

空の様子は暗闇で見えないが、雨が降り出しそうな気配だ。

明日、雨にならなければいいのだが。

そう思いながら、貴方は空に向けた視線を再び手元に戻す。

僅かな灯りの下、規則正しく印刷された細長い文字列を追う。

目で追いつつも、やがて貴方は、ある結論に至る。















「やっぱ、病院行こ」










もちろん、待合室で長時間待たされることは承知の上だ。
待っているあいだは、さっき購入した本を読めばいい。


読書の秋である。

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